能あるイケメンは羽目を外す
「楓は強いよ。楓が抵抗したから片桐の口切れてたんだよね?よく一人で頑張った」

楓の頭をよしよしと撫でると、彼女はその時の事を思い出したのか俺の胸にしがみつき声を上げて泣いた。

今はいっぱい泣けばいい。

心にためて苦しむよりは、俺のいる前で吐き出してくれた方が安心だ。

しばらく泣いて楓が落ち着くと、彼女の髪をドライヤーで素早く乾かし、赤くなった首筋には軟膏を塗った。

「明日、かさぶたになるかもしれないな。痒くなっても触っちゃ駄目だよ」

「……うん」

「俺も軽くシャワー浴びてくるからリビングで待ってて。歩ける?」

「うん。大丈夫」

濡れた服を脱いで素早くシャワーを浴びリビングに行くと、楓はソファーに腰掛けながら今日のニュースをボーッと見ていた。
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