能あるイケメンは羽目を外す
文武両道で品行方正。生徒会長もしていて周りから信頼されていた。

一度、クラス対抗のバスケ大会で、杉原と直接対決したことがあった。

杉原の澄ました面が嫌いで、俺は杉原へのパスは全てカット。その試合はダブルスコアで俺のクラスが勝った。

だが、杉原はその事を根に持って、俺を生徒会の役員に指名し、雑用を押し付けた。

その雑用を俺が素直にやるわけがなく、俺の事が好きな女の先輩方に仕事を割り振った。

そんな俺を見て、杉原が歯ぎしりしたのは言うまでもない。

親父の会社に就職していたのは知っていたが、まさか俺の秘書になるとは思わなかった。

杉原と再会した時は、思わず絶句した。

俺が上司とはいえ、先輩だった杉原が俺に対して敬語を使うのがムカつく。

メガネの奥のあの涼しげな目は、いつも見下すように俺を見据える。

そして、俺に問いかけるのだ。「いつになったら本気になるのか?」と……。
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