能あるイケメンは羽目を外す
19、俺達の家 ー 陽斗side
「おい、この臨時取締役会議、お前が招集したらしいが、一体何を企んでる?」

会議室に向かう途中、後ろから翔馬に肩を捕まれ呼び止められた。

そう、今日はこいつを副社長の座から引きずり下ろす日。

片桐の事件があった二日後、俺はかねての狙い通り臨時取締役会議を招集した。

出張で不在だった翔馬には寝耳に水の話で……。

翔馬を振り返り、俺はこいつの顔を見て口角を上げた。

「そんなに焦らなくても会議でわかるよ」

悠然と告げる俺の顔を見て何か不安を感じたのか、翔馬は何も言わず黙り込む。

会議室に入ると、他の六人の取締役が揃っていて俺達が現れるのを待っていた。

翔馬が着席すると、杉原が今日の議題の書かれた書類を役員に配り議事録を取るため一番後ろの席に着席する。
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