能あるイケメンは羽目を外す

取締役の八人中七人が副社長の解任に賛成し、今日付けで副社長の解任が決定、新社長には俺が就任することが決まった。

「お前、最初からこれを狙ってたのか!」

翔馬がずかずかと俺のところにやって来て、俺のスーツの襟を乱暴に掴む。

「お前が真面目にやってれば俺が動くことはなかったんだよ。自業自得だね」

蔑むような目で翔馬を見ると、俺はこいつの手を振り払った。

「何だと!ただ遊んでたお前に何が出来るっていうんだ!」

翔馬は納得いかないのか俺に食ってかかる。

そんなこいつを面白そうに眺めながら俺は不敵の笑みを浮かべた。

「すぐには結果は出ないかもしれない。だが、二年で立て直す。俺と杉原の手腕でね」
< 262 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop