能あるイケメンは羽目を外す
取締役の八人中七人が副社長の解任に賛成し、今日付けで副社長の解任が決定、新社長には俺が就任することが決まった。
「お前、最初からこれを狙ってたのか!」
翔馬がずかずかと俺のところにやって来て、俺のスーツの襟を乱暴に掴む。
「お前が真面目にやってれば俺が動くことはなかったんだよ。自業自得だね」
蔑むような目で翔馬を見ると、俺はこいつの手を振り払った。
「何だと!ただ遊んでたお前に何が出来るっていうんだ!」
翔馬は納得いかないのか俺に食ってかかる。
そんなこいつを面白そうに眺めながら俺は不敵の笑みを浮かべた。
「すぐには結果は出ないかもしれない。だが、二年で立て直す。俺と杉原の手腕でね」