能あるイケメンは羽目を外す
「お前なんかに出来るわけがない!お前なんかに!」

憎らしげに俺を睨み付け翔馬が拳を振り上げる。

だが、こいつの行動パターンを予想していた俺はさらりとこいつの拳をかわして、腕をつかんで捻り上げた。

「これ以上無様な真似してどうするの?お前はうちの会社に損害しかもたらさない疫病神なんだよ。さっさと荷物纏めて出てってくれる?」

冷ややかな声で告げると翔馬は激昂した。

「陽斗!」

翔馬が俺に噛みつかんばかりに声を荒げる。

「翔馬さん、これ以上騒げば警察を呼びますよ」

警備員を連れてきた杉原が、落ち着いた様子で翔馬に声をかける。

「杉原!お前がこんなグータラ男を認めるのか!」

「あなたはソレイユを駄目にした。その責任を取るべきです」

声を荒げる翔馬に杉原は冷たい視線を向ける。

警備員に翔馬を引き渡すと、俺は残酷に告げた。

「翔馬、お前の母親と親父は今日離婚届を区役所に提出したよ。お前と親父の養子縁組については今後弁護士を立てるから。俺と義理でも兄弟ではいたくないだろ?」
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