能あるイケメンは羽目を外す
俺の親父は、リゾート開発ソレイユの社長をしている。ソレイユはリゾートホテル、ゴルフ場、レストランの経営をしていてここ数年で業績を伸ばしている優良企業。東証一部への上場を果たし、最近では海外にも進出をしている。

今俺が泊まっているこのホテルもソレイユが経営している。

『では、言い方を変えましょうか?翔馬さんに社長の座を奪われてもいいんですか?』

俺の挑発には乗らず、杉原は冷静に切り返す。

「別に。興味はない。奴が優秀ならそれでいいんじゃない?お前もあいつの下についた方が出世するかもよ」

俺は冷淡に答える。

翔馬と言うのは血の繋がらない俺と同じ歳の義弟。

俺が十五の時に母は病気で他界し、その二年後に父親が再婚。その再婚相手の連れ子が翔馬だったが、思春期の男同士が突然家族になっても仲良くなれるはずもなく、俺は大学進学を機に家を出てイギリスに留学した。
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