能あるイケメンは羽目を外す
「せっかく来ていただいたのに……こんな事になってすみません」

心から頭を下げて部長に謝ると、部長は頭を振った。

「いやいや……気を落とさずに。きっともっといい出会いがあると思うよ」

「……そうですね」

そんな幸運はないと心の中で否定しながらも、部長の言葉に相槌を打つ。

「あの……成沢くん、急な話で申し訳ないんだが……」

部長は言いにくそうに話を切り出す。

「はい……?」

何だろう?いつもの部長らしくない。

「お昼が終わったらでいい、専務室に行ってくれないか。私物の片付けはいつでもいいから……」

専務室に?寄りにもよって何で陽斗のいる専務なの?

「あの……話が見えないんですが……。私物の片付けって……」

「今朝専務に呼ばれてね。杉原君の補佐をしてくれる人材が欲しいと言われてね。杉原君も君が適任だと言っていて……」

「杉原さんがですか?」

杉原さんの口から私の名前が出てくるなんて意外だ。
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