能あるイケメンは羽目を外す
「部長……そういう問題ではなくて‼」

兎に角駄目なんです……そう言おうとしたら、誰かが私の肩に手を置いた。

嫌な予感がした。

「何の心配もいらないよ」

反射的に振り返ればそれは陽斗で、彼は私と目が合うとその綺麗な顔で悪魔のように妖艶に微笑む。

身体がゾクリとした。

「園田部長、成沢さんもいろいろと不安があるようなのでランチを食べながら彼女とじっくり仕事の話をしたいんですが。良いですよね?」

陽斗が部長に向かってニコッと微笑む。

有無を言わせぬ笑顔。でも、横目でチラリと私を見るその視線は、「逃がさないよ」って言ってる気がして怖くなった。

陽斗は私をどうする気なのだろう?

役職も陽斗の方が上だし、部長が断れるわけがない。

「お任せします。あまり無理はさせないで下さいよ」

部長が渋々といった顔で応じると、陽斗は急に真摯な眼で頷き私の手を掴む。
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