能あるイケメンは羽目を外す
廊下でぶつかった時に顔色が悪いのが気になって、食事に連れ出したのだが、こんな風に倒れるとは思わなかった。

午後仕事をさせるのはちょっと無理かもしれない。無理をさせれば、また今みたいに倒れるだろう。

このまま俺のマンションに連れて帰ろうか?

だが、あいつは……黙って帰ればまたネチネチと文句を言うんだろうな。

杉原は同じ総務部で楓の事を知ってたくせに、俺が会社をサボるのを阻止しようと専務室に入るまで楓の事を教えてくれなかった。

彼女を杉原の補佐にして自分の近くにおくというのを交換条件に、今日はちゃんと仕事をすると杉原に約束した訳だが、この俺がそんな約束を守るわけがない。

会食を途中で抜けて楓を連れ出したが、彼女に食事をさせるのだけが目的だった訳ではない。

もう逃がさないためだ。
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