能あるイケメンは羽目を外す
「ありがとう。何か温かいスープとクラッカーみたいなものがあれば頼みたいんだけど」

「かしこまりました」

店員が部屋を出て行くと、俺は渡されたおしぼりで楓の顔を拭う。

「ちょっと、水飲もうか?」

テーブルの上のグラスを取って楓に飲ませる。

「いつからちゃんと食事してないの?」

「……昨日の……お昼から……?」

数秒考えて、楓が自信なさそうに答える。

疑問形って……。昨日のお昼もちゃんと食べたか怪しいな。

俺は楓の顔を見ながら眉根を寄せた。

「何やってんの?身体壊して本当に病気になるよ」

「大丈夫です」

「この状況でよく言えるね。その言葉全然説得力ないんだけど」

「……ち、ちょっと疲れてただけです!」

だから、私を放っておいて。
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