能あるイケメンは羽目を外す
「そう?なら、タクシー使うから問題ないよ。後は適当に宜しく頼む」

『はい、そうですか……と私が言うと思いますか?私が送ります。但し、仕事はしてもらいますからね』

杉原がキレた口調で言うが、こいつの言葉を聞いて思わず口角が上がる。

口うるさいが、これで便利で有能な運転手が確保出来た。

「お前もしつこいね。いい加減諦めればいいのに。俺は社長になる気はないよ」

『お互い様でしょう?約束は守ってもらいますよ』

冷ややかに言って杉原がブチッと電話を切る。

あいつの事だ。十分以内にここに来るに違いない。

俺の口車に乗せられたとは思っていないだろう。

「専務の家までってどういう事ですか!」

楓が睨み付けるように俺を見る。

「専務じゃない。陽斗だよ。そういう呼び方して壁を作らないの」

楓の顎をつかんで彼女と目を合わせる。
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