能あるイケメンは羽目を外す
家族が欲しかったんだ。

婚約者の浮気にも全く気づかなかったなんて……私は一体彼の何を見てきたのだろう。

逃げられるのも当然かもしれない。よくよく考えれば、彼が浮気していたと思い当たる節はいくらでもある。

メールの返事が素っ気なかったり、電話をしても上の空だったり、仕事を理由に彼の家に行くのを断られたり……。

最近は会って話すことも少なかったように思う。結婚式の準備も全部私任せだった。

思い出したところで、今となっては後の祭りだ。

彼にとってみれば……浮気相手の方が本命だったのかもしれない。

それを式の当日に知らされるんだから……私って一生幸せにはなれない運命なのかもしれない。

考えれば考える程、底なし沼に落ちていくようで……。

「相手の男が馬鹿なんだね。君は凄く魅力的なのに。でも……そいつのせいで自暴自棄になることはないんじゃないかな?もっと自分を大切にした方がいい」
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