能あるイケメンは羽目を外す
5、お日さまみたい
「ここが、楓の部屋」

そう言って陽斗に通されたのは、広尾にあるデザイナーズマンションの最上階の一室。

自分には一生縁のなさそうな高級マンション。

シーツも壁紙も白で統一されていて一見シンプルに見えるけど、壁時計や黄緑色の二人掛けソファーはお洒落で部屋のいいアクセントになっている。

ベッドはセミダブルなのか私が使っているものよりも大きくて、寝心地がよさそう。

シンプルな部屋だけど、一点一点が高価なものなんだとインテリアには詳しくない私でもわかる。

「今日、家政婦さんがシーツ交換してくれたみたいだから、すぐに寝れるよ」

陽斗は柔らかな笑みを浮かべると、「ちょっと何か飲み物を取ってくる」とか言ってキッチンに行ってしまった。

週に三回家政婦さんがやって来て、掃除や料理をしてくれるらしい。ただ、日中にやって来るので殆ど顔を合わせることはなく、料理も冷蔵庫に入れられた物をレンジでチンすればいいだけになっていると陽斗は説明してくれた。
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