能あるイケメンは羽目を外す
「もっと真面目に仕事をする後輩ならよかったんですが」

杉原さんが陽斗に冷ややかな視線を向けながら文句を言う。

「悪かったね。不真面目な後輩で」

「ほら、ここにずっといては成沢さんが休めないでしょう?」

「ああ、わかってる。煩くしてごめんね、楓。ゆっくり寝て」

優しく微笑んで陽斗は私の額に口付けると、杉原さんに服を引っ張られながら部屋を出て行った。

私は額を押さえながら真っ赤になっていた。

キスされた額のところが熱を持ってて……その熱が全身に広がる。

明るい場所で陽斗の顔を見ると、余計ドキッとする。

非の打ち所のない端整な顔。

至近距離で見ると、目の毒だ。

身体が……熱い。

熱……出ちゃったのかな?

陽斗って……何で照れずに人前でキス出来ちゃうの?イギリスに行ってたから?

章介は……こんなにキスなんてしなかった。
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