能あるイケメンは羽目を外す
婚約者に振られたばかりだっていうのに……。

「ああ~、もう、考えるな‼」

布団を頭まで被ってギュッと目をつぶる。

大丈夫……眠れる。

おかしいのは結婚が駄目になって疲れているから……。

大丈夫。身体が元気になればきっともっと自分をコントロール出来るはず。

こんな風に陽斗に迷惑をかけてちゃいけない。

今まで一人でやってきたんだもん。

一人は孤独だけど……慣れている。

怖くなんかない。そう……怖くなんかない。





久しぶりにあの夢を見た。

父と母が亡くなった……あの日の夢だ。

見たくない時に限ってどうして見てしまうのだろう。

あれは遠い夏の日。
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