能あるイケメンは羽目を外す
なぜ神様は私だけ助けたんだろう。私もお父さんとお母さんと一緒に死なせてくれればよかったのに……。

神様は残酷だ。

私は両親を亡くして、自分の居場所をなくしてしまった。

結婚したら……家族が出来て……温かな家に住めるって思ってたのに……どうしてこうなっちゃったんだろう。

私には疫病神でもついてるのかな?

もう一人で頑張るの……疲れちゃった。

私がいなくなっても……誰も困らないし……苦しまない。

家族はもういないのだから……。

そうだ。私の存在なんてとってもちっぽけで……消えても誰も何とも思わない。

悪魔の囁きが聞こえる。

「お前なんか、いなくなってしまえ」と。

楽になれるならそれでいいかもしれない。

今の自分は嫌いだ。

こんなうじうじした自分を消してしまいたい……。

「嫌い……嫌い!」

「……楓、楓!」

遠くで誰かが私の名前を呼ぶ。
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