能あるイケメンは羽目を外す
「……ありがとう、陽斗」
……私の元に戻ってきたイヤリング。
お母さんが私に頑張れって言ってる気がした。
「良かったね。なくさなくて」
陽斗が柔らかな笑みを浮かべながら、クシュッと私の頭を撫でる。
「さあて、お腹空いたし何か食べようか」
そう言ってキッチンに立って陽斗が作ってくれた煮込みうどんは、お母さんのと同じ味がした。
陽斗がくれるものは……いつも温かい。
彼自身も……温かくて優しくて……まるでお日さまみたい。
冷たくなった私の心を溶かしていくような陽斗の笑顔に、今の私は救われていた。