能あるイケメンは羽目を外す

「……ありがとう、陽斗」

……私の元に戻ってきたイヤリング。

お母さんが私に頑張れって言ってる気がした。

「良かったね。なくさなくて」

陽斗が柔らかな笑みを浮かべながら、クシュッと私の頭を撫でる。

「さあて、お腹空いたし何か食べようか」

そう言ってキッチンに立って陽斗が作ってくれた煮込みうどんは、お母さんのと同じ味がした。

陽斗がくれるものは……いつも温かい。

彼自身も……温かくて優しくて……まるでお日さまみたい。

冷たくなった私の心を溶かしていくような陽斗の笑顔に、今の私は救われていた。
< 78 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop