能あるイケメンは羽目を外す
「う~ん、こういう場合は攻めるか」

悩ましげな顔で呟きながら、陽斗はスマホを操作する。

そんな彼の姿を見て私は絶句した。

机の上にあるトレーには未決済の書類が溜まってるし、仕事がなくて暇というわけではなさそうだ。

「専務‼仕事せずに何ゲームなんかしてるんですか!」

私が声を上げて怒ると、陽斗はスマホから顔を上げて私を見るとクスッと笑った。

「あっ、楓だけ?そう言えば杉原、社長に同行って言ってたね。じゃあ、二人の時は陽斗って呼ばない?」

陽斗は私が怒っても変な提案をしてくる。

「呼びません!何馬鹿な事言ってるんですか?仕事してください!書類、こんなに溜まってるじゃないですか!」

山のように積まれた書類を指差すと、陽斗は他人事のように言った。

「結構あるよね。昨日、杉原に睨まれながら自宅で結構片付けたんだけどな。どうせ次のリゾート開発の企画書だし、俺の代わりに判子押しておいてくれない」
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