能あるイケメンは羽目を外す
私が代わりに判子を押す?

陽斗の言葉に私は呆気に取られる。

……ホントに仕事しないんだ。

杉原さんがあんなに怒るのもわかる気がする。

「そんな事出来るわけないじゃないですか!これは専務の仕事ですよ」

「う~ん、でも……この書類って先週のプレゼン会議の資料なんだよね。内容はわかってるし、見るだけ時間の無駄じゃない?しかも、俺の後には副社長も社長も見る。何か間違えがあれば二人が気づくよ」

「そういう問題じゃないでしょう?専務がちゃんと仕事しなくてどうするんですか?そんなんだから陰で「残念王子」なんて言われるんですよ」

「へえ、もうそんなあだ名がついてるんだ。ある意味光栄」

陽斗が面白そうに瞳を輝かせながらクスッと笑う。

「面白がらないで下さい!悔しくないんですか?社員にそんな事言われて」
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