能あるイケメンは羽目を外す
7、安らげる場所 ー 陽斗side
「もう、知りません!」

楓にキスした後、彼女は顔を真っ赤にして怒って出て行った。

楓が消えた専務室のドアをじっと見つめ俺はフッと微笑する。

「その調子で元気になればいい」

近くにいると我慢出来なくなってキスしてしまったが、やはり側においておいて良かったと思う。

昨日の楓を見てしまっては、今日は心配で何もする気が起きなかったかもしれない。

日中眠っている時は、かなりうなされていた彼女。

リビングにまで苦しそうな声が聞こえてきて、慌てて駆けつけると楓は苦悶に満ちた顔でもがいていた。

名前を呼んでもなかなか目が覚めなくて……自分の存在を否定するような言葉を叫んでいて……それを聞いていると凄く胸が痛んだ。

昨日は結局楓に苦しんでいた理由を聞けなかったが、彼女が元気になって気持ちが落ち着いてきたら話してもらう方がいいかもしれない。
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