能あるイケメンは羽目を外す
そんなこいつの顔を面白そうに眺めて俺はクスッと笑った。

「何か不都合でも?」

「いいや」

翔馬はムスッとした顔で否定する。

でも、こいつが心の中で「邪魔だ」と毒づいたような気がした。

「安心してよ。ちゃんと大人しくしてるよ」

にっこり笑って翔馬と一緒に会議室に入り、こいつの隣の席に着く。

会議室に入った途端感じた出席者の視線。

まるで珍獣扱いだな。

そんなに俺がいるのが珍しいか?それとも単に邪魔なだけか?

机の上に置かれた資料をパラパラと見ると、俺は胸ポケットからペンを取り出した。

ペンをクルクル指で回しながら報告を聞く。

「沖縄離島リゾート開発計画ですが、東上島のホテルの進行状況は今のところ問題はなく来月のオープンは予定通りです。南門島、西龍島については土地の買収が完了し、今月末から着工を……」
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