能あるイケメンは羽目を外す
……退屈な会議。資料に書いてある事しか言わないし、ホント形式だけだな。

資料を裏返しにし、白紙の部分にペンを走らせ今思いついたデザイン画を書いていく。

だが、一方で議題になっている沖縄離島のリゾート開発について頭の中で考えた。

空港もない離島に高級リゾート。

会議の流れを見ると、この計画自体副社長の翔馬主導で行われているようだ。

俺が社長ならこんな計画中止にするが……。

地元の政治家と裏で何か取引でもしているのではないだろうか?

結局、取り立てて目新しい情報もないまま会議は終了。

俺がもう用はないとばかりにさっさと席を立つと、翔馬が俺に冷ややかな視線を向けた。

「お前、この仕事向いてないんじゃないか?イギリスに戻ったらどうだ?」

「親父の顔を立ててるんだよ。心配しなくても飽きたらそのうちイギリスに帰るよ」

フッと微笑し専務室に戻る。

椅子に座ると、俺のスマホがタイミングよくブルブルと震えた。
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