能あるイケメンは羽目を外す
「楓、ちょっと来てくれる?」

『はい』

楓は内線を切ると、すぐに専務室にやって来た。

たが、朝ここでキスしたせいかかなり俺を警戒している。

「今日の夜は社長と食べる事になったから、楓は先に俺の家に帰って待っててくれる?」

ズボンのポケットからマンションのカードキーを取り出し、楓の手を取って彼女に握らせる。

「でも……」

俺の顔を見て反論しようとする楓の唇に俺は指を当てた。

出来ないなんて言わせない。

「これがないと俺が自分の家に入れないから。楓は勝手に自分のアパートに帰らないでよ」

今日は絶対に楓を彼女の家に帰さない。

彼女が従わないなら一緒に連れていく。

「……はい」

俺の目を見ながら楓は仕方ないと言った顔で渋々返事をする。
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