Do you love me?[短篇]
グシャグシャなお弁当は
何だか私達をあらわしているみたいで。
「…ひっく…」
涙が流れた。
あれから仁と話すことも無くなった。
当たり前のように、
仁はもう、あの日から学校に来ていない。
毎朝『学校ね』と
送っていたメールも、やめた。
休みの日に、無理やり押しかけることもしなくなった。
本当に、呆気ない。
呆気なさ過ぎて、笑える。
「…香奈枝」
「大丈夫!…大丈夫。」
大丈夫、そう言わなきゃ、
そう言い聞かせなきゃ
前に進むことが出来ない。
目を閉じれば仁の顔。
そしてタバコの香り。
いつか、いつか忘れる日が来るのだろうか。
いつものように学校が終わり、
いつものように家に向う。
帰り道、どうしても通らなくてはならない仁の家。
早く、早く通り過ぎなきゃ。
「っ」
私は早足にその場を後にした。
「…仁っ」
会いたい、会いたい。
…でも、もう会えない。
早足に家に向う途中。
誰かに肩を叩かれた。