Do you love me?[短篇]
「ちょっと返して…」
「5分で戻れ。」
「…はい?」
今、なんて言いました?
「5分で何とかしろって言ってんだよ」
「そんな、仁じゃないんだから」
委員会の集まりなんだから
最低30分は掛かるだろう。
それを5分でなんて…。
「…なんつった?」
「いえ、なんでもありません。」
結局私は逆らえないんだ。
仕方なく肩を落とした。
遠藤君に頼もう。
それしかないと。
「おい。」
「え?」
急に呼ばれ、顔を上げたその時。
不意に唇にが塞がれた。
!
本当、いきなり。
…自分勝手なんだから。
「…俺以外のこと考える余裕なんてなくしてやろうか」
「ひっ」
仁は人の心が読めるのだろうか。
妖しく光る仁の目に、私は一歩後ずさる。
「逃がすかよ」
「…ま、待った!!」
そんな私の声は仁には届かず、
あっさり捕まってしまう私。
「アホ顔」
「…な!」
抵抗する暇も無く、
仁の甘い甘い口付け。
言葉は鋭いくせに、私に触れる仁は凄く優しい。だから、抵抗なんて出来ない。
私は自然と仁にの首に手を回す。
あぁ、やっぱり今日も私の負け。
いつか、いつか絶対に見返してやるんだから。
「…いい加減にしろ」
「は、はい!」
やっぱり仁は人の心が読める。
…馬鹿が。
お前だから分かんだよ。
★おわり