Do you love me?[短篇]
ガラっ
あれ?
亮ちゃんにしては早いような…
いつもベルが鳴って5分は遅刻してくるはずの先生が、今日に限っては早く来てしまったのかチャイムと同時に扉が開いた。
ったく、
遅れてくればいいものを。
そう思って、
教卓に視線を向けた。
が、目に入ってきたのは思いもよらぬ人物。
「…う、そ」
一瞬にしてシーンと静まり返る教室。誰もが扉に視線を向け、息を潜めるようにその人物の様子を伺っていた。
なんで、なんで…
まさか、来てくれるなんて。
ガタリ。
大きな音を立てて私の隣に腰を下ろしたのは、さっき電話で話をした仁だった。
「…見んじゃねぇよ。」
「き、来てくれたの?」
「あぁ?別、お前のためじゃねぇよ。…毎日家に来られたら迷惑なだけだ。それだけだっつうの。」
仁はそれだけ言うと、
机に突っ伏してしまった。
ふわり、と香る
仁の匂い。
久しぶりに学校に来たって言うのに、すぐに寝てしまった仁を見てわたしは自然と笑みがこぼれた。
それから、いつもどおり
5分後くらいに先生が到着。
仁を見て凄く驚いてた。
「おい。」
「…え?」
午前中、一度も顔を上げなかった仁がお昼になってようやく顔を上げた。すっごく機嫌悪そうな顔で私を睨んだ。
な、な、何?
何度、睨まれても馴れない。
仁のその目。
「責任取れよ。…俺の時間無駄にした。」
「…はい?」
意味が分からない。
時間の無駄?
私のせい?
ぽかん、としている私。
「…来い。」
「え、えぇ!?」
ぐっと掴まれた腕。
そのまま、ぐいぐいと屋上へと連れて来られた。