Do you love me?[短篇]
2月っていったらまだ肌寒くて。屋上には私達以外の影は見当たらなかった。ひゅーっと風が吹くたびに私の体温を奪っていく。
「寒っ」
「…んなの、当たり前だろうが。」
しれっと答える仁。
当たり前と分かってるくせにこんなところに連れて来る仁が分からない!
これでも女子高生なのに。
「顔に出てるっつの」
「は?」
仁はそういうと、冷たいアスファルトの上にごろりと横になった。
「弁当」
「…はい?」
「俺、食いモンねぇ。」
そういって、視線が向けられたのは私の手。友達と食べようとお弁当を手にしたとたん仁に連行されてしまったからそのまま持ってきてしまったのだ。
「こ、これは…」
マズイ。
非常にまずい。
仁に食べさせるなんて予想もしていなかったから今日のお弁当とは少し手抜き。そう!今日は、手抜きなの。
「お前が電話なんかしてこなかったら、学校来るつもりなかったってのに。」
「そ、それは仁のためを思って…」
「んなの聞いちゃいねぇよ。…それよこせ。」
ひぃ~…っ
誰が、誰がこの人に逆らえるのでしょうか。そんな目で睨みつけられたら誰でも言うこと聞いちゃうに決まってる。
「はぁ」
私は観念して
手の中にあったお弁当を仁の元へと持っていった。
こんなんだったら
もっとおいしいの作ってくるんだった!
なんて今さら後悔しても遅いんだけど。
「はい。」
「………。」