Do you love me?[短篇]
大人しくピンクのお弁当箱を仁の前に差し出す。
「言っとくけど、不味いよ。」
「…食えりゃ良いんだよ。」
似合わないウサギ柄の箸とピンクのお弁当箱。仁には少なすぎるんじゃないか、とか。やっぱり不味いんじゃないか、とか。
食べてる仁の横で
ヒヤヒヤしながら見つめてた。
「…おらよ。」
「早っ」
10分も立たないうちに空になったお弁当箱。
ちょっと早すぎやしないか。
私は唖然とその弁当箱と受け取る。
「食えねぇことはねぇな。」
「…え?」
唖然としている私に
仁はニヤリと笑ってこういった。
「毎日作って来いよ。…したら学校、来てやってもいいぜ。」
「毎日!?」
今日の自分のお昼はどうしようとか、そんなことを考える場合じゃなくなった。きっと今日から私の頭の中はお弁当のおかず。
「分かったかよ。」
「…う、うん!」
でもそれで、仁が毎日来てくれるのならば頑張ってみようかな。
「香奈枝、今日も遠田君と?」
「うん。」
「あんたも大変だね。…ま、頑張んなさい。」
寒い中、屋上に向うのは
私の日課になってしまった。
料理の腕だって、前よりも格段に上がったと思う。
「仁!」
「遅ぇ。」
すでに私よりも早く到着しているのは4時間目の授業をサボったから。3時間目までいたはずの仁が4時間目には消えていた。
もう、驚かないけど。
「今日はね、デザート付き。」
「は?」
「じゃーん!」