Do you love me?[短篇]
「でもさ最近、遠田君毎日学校来るよね。」
「…うん!」
「香奈枝のおかげ。」
よしよし、と私の頭を撫でる彼女。
まったく、機嫌が良いったら。亮ちゃんにでも褒められたのかな?
「私のおかげってことは無いと思うけど。」
そう。
仁は気まぐれ。
私がお弁当を作ってこようが来まいが、その時の気分で行動を決めるから関係ないと思われる。最近は、機嫌がいいのかな?仁も。
「あ、次の時間体育じゃん!」
「忘れてた!」
チーズケーキを机の横に掛け、代わりに体操着を持つと体育館へと猛ダッシュで向かった。顔色が悪い、そんな話なんかもう私の頭の中には無かった。
今日はマラソンか。
体育の中で一番嫌な種目。
体力がない私にとって長距離は地獄のようだった。
「ふふ。ほら、噂をすれば。」
「え?」
指差す先には、遅れてきたがきちんと登校してきた仁の姿。体育には出ないつもりなのだろうか。そのまま私達から見える木下にドスリと腰を下ろした。
全く。
仁が体操着着てる姿なんて
小学校以来見ていない。
運動神経は良いほうなのにもったいないったら。
「あ、そろそろ始まるよ」
校庭を時間までグルグル走ってて何が楽しいのだろうか。せめて、景色の変わる外周とかの方が私は好きなのに。
溜息をついたのとほぼ同時に先生のホイッスルが響いた。