愛しいひと

ガチャン

中にはいると彼は鍵をしめた

「ねぇ、なにか言うことない??」

赤ちゃんのことだろう

でもやっぱり彼には言わない

『なにもありません』

震える指先をじっと見つめる

「...チッ」

びくっ

「顔あげろ」

ぐいっと頬を掴まれそのまま上をむかされる

『..っ』

それでも視線はあわさない

「なんでなにも言わない」

『言うことなんてなにもありません』

もういい

なるようにしかならない
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