Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「仲松さん!これ、確認お願い。」
その時、浜田がそう声をかけて、答案用紙の束を掲げた。みのりは肩をすくめて江口と目を合わせると、紙コップのお茶を飲みほす。
そして、沸き立った心を落ち着かせながら席に着き、再び答案をめくり始めた。
そこには電光掲示板を見上げる人の群れがあった。
自動車学校での卒業検定に合格していた遼太郎と二俣は、二人そろって免許センターへと学科の試験を受けに来ていた。
無事に学科試験に合格していれば、この電光掲示板に受験番号が表示されるはずだ。二人を含める受験者たちは、固唾を呑んで合格発表を待っている。
「遼ちゃん、何番だっけ?」
二俣が落ち着かなげに遼太郎へと声をかけた。