Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
『じゃあ、離任式が終わった後、どこかで落ち合うことにする?といっても、その日の夜は送別会があるから、夕方までしか一緒にいられないけど…。』
その文面を読んで、遼太郎は考える。そして、唇を湿らせてから、返事を打つ手を動かした。
『その日は、どこにも行かずに、先生の部屋で先生の作ってくれた昼飯が食べたいです。宇佐美と平野も食べたんだから、俺にも食べさせてください!』
こんな返事を送ると、みのりに触れたいと思っている下心が見え見えなんじゃないか…?とも思ったが、金曜日のこのひと時の後には、数か月会えない時間が横たわっている。
その前の短い貴重な時間を、誰の目も気にすることもなく、どんなことにも邪魔されない場所で過ごしたかった。
『宇佐美さんと平野さんがうちに来たこと、よく知ってたね。お昼ご飯、了解しました。そうだ。遼ちゃんは、これから自炊をしないといけないんだから、一緒に作ろう!何が食べたい?』
今度は少し待ったら、数分の後にみのりから返信があった。即行で遼太郎は返事を送る。
『ハンバーグがいいです!!』
遼太郎は自分が一緒に作るということは考えずに、自分が一番好きなものを迷わず答えた。