Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「ふーん…。」
含みのある返事をした遼太郎に、二俣は続ける。
「今までは電車で遠出するしかなかったからなぁ。そう考えると、やっぱ遊園地かな。この辺の遊園地は車じゃなきゃ、行けないからな。映画は暗闇の中でずっと黙ってないといけないし、面白いのやってなきゃつまんないしな。」
――…なるほど…。
と、遼太郎は心の中でうなった。
さすが二俣は、中学の時から彼女がいるだけのことはある。言われてみれば「そうだ」とは思うけれども、やはり経験がなければそこまで思いが及ばないだろう。
「よし!今度の休みは、遊園地デートだ!遼ちゃん。」
「…えっ!?」
二俣の言っていることの意味が解らず、遼太郎は二俣を凝視した。
「どうせ、みのりちゃんと何処に行こうかって考えてたんだろ?いいじゃん、遊園地で。」
またしても二俣のこの勘の鋭さに、遼太郎は舌を巻く。しかし、二俣が真面目に考えてくれているので、遼太郎の方も真面目に相談する。
「遊園地って、子どもっぽくないかな?」
「うーん。みのりちゃん、大人だからなぁ…。相手が沙希みたいにはいかないか…。」
二俣も険しい顔になって、眉間にシワを寄せた。
「でもまあ、いいんじゃないか?みのりちゃんが、子どもみたいに遊ぶところも見てみたいだろ?」
それも一理ある。そんな風に遊ぶみのりは、どんなにか可愛いだろう。
「うーん、それとも、みのりちゃん、歴史オタクだから、城とか遺跡とかの方が喜ぶかな?」