Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
結婚する気などさらさらなく、断ることは目に見えているのにお見合いをするなんて、相手に対してそんな失礼なことはできない。
それを、今回ばかりは喜美代にはっきり言っておかなければならないと、みのりは対決する覚悟を決めた。
「…お母さん。私、今は結婚する気がないの。だから、もうこんな風に勝手なことして、縁談を取り付けて来ないで。」
みのりのこの物の言い方に、喜美代もカチンときたみたいだ。
「勝手なことって…!あなた、結婚もせずにずっと独りで生きていくつもりなの?お父さんやお母さんは、あなたのことが心配だから…。」
「心配するには及ばない。私は独りでも生きていけるから。」
「そんなこと言って…!今は良くても、20年後30年後に後悔することになるんだから。その時のことを考えてるの?」
「考えてるわよ。ちゃんと考えてるし……私の人生だから、私のことは私が決める。もし、結婚するにしても、相手はちゃんと自分で見つけるから。」
「自分で見つけるって、見つける気なんてないでしょう?結婚はね。ちゃんと初めからその気になって、それに見合った相手を自分から探さないとできないものなのよ。あなたがいつまでも自分でどうにかしようとしないから、こうやってお母さんが探してあげてるんじゃない……!」