Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「どういうことだよ?遼ちゃん!!どうして、遼ちゃんが一緒だったら、みのりちゃんに会えないんだ?」
そんな質問を投げかけながら、顔色を変えて二俣が職員室からの階段を駆け下り、追いかけてくる。
「みのりちゃんと何があった?」
察しのいい二俣は、親友の尋常ではない様子を心配し始める。遼太郎の前に回り込んで、その顔を見ると、自分のその心配が取り越し苦労でないことを悟った。
「……先生とは、もう会わないことにしたんだ……。」
「どういうことだよ?!」
二俣は同じ質問を繰り返す。
「俺の…、彼女ではいられない…って言われた。」
「……ウソだ!!だって、あんなに二人とも想い合ってたじゃないか…!」
血相を変えて、二俣は反論した。
その事実を示されると、遼太郎の胸が鋭く貫かれる。痛みに耐えながら、遼太郎はウエイトトレーニングをする器具の横に座り込み、目を閉じた。
二俣も、遼太郎を見守るように、隣にそっと腰を下ろす。
「俺が大学で成長するには、自分は邪魔な存在だ…って、先生は言ってた…。」
遼太郎はそう口を開くと、あの春の日の夕方にみのりから言われたことを、そして別れを告げられたことを、ポツリポツリと説明した。