Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「じゃあ、どっちがいいかは訊かないから、みのりちゃんはこんな状況をどう思う?」
質問の方向が変えられて、みのりは再び考える。
ここで自分の考えを言うことは、愛に影響を与えると分かっているので慎重になった。
けれども、適当な言葉であしらえるような質問ではなく、真剣に向き合って真心でもって答えてあげたいと思った。そして、みのり自身の中にある確かなものを、愛に伝えずにはいられなかった。
「どっちにしよう……なんて選んでるようじゃ、本当に好きになったとは言えないと思うよ。」
「本当に好きになる……」
愛は、みのりの言葉をつぶやいて、それを噛みしめる。
「でも、愛ちゃんはまだ若いから、好きになれそうな人と、付き合ってみるのもいいかもね。一緒にいるうちに、いいところがどんどん見えて、好きになっていくかもしれないし…。そんな経験をする中で、本当に人を好きになることがどんなことなのか解るようになると思うよ。」
「みのりちゃんは大人だし、そんな経験をして、解ってるんだよね?本当に人を好きになるって、どんなふうに好きになることなの?」
「……それは、愛ちゃんが自分で見つけていくことよ。」
「うん、分かってるけど、みのりちゃんの場合はどうなのか、知りたい!」