Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「兄ちゃんがラグビー部だったのは関係ないだろ?それでなくても、ラグビー部だけじゃなくて、他の部活からもめっちゃ勧誘されてて、マジでウザいんだけど」
「マジでウザい…って…。」
みのりは思わず俊次の言葉を反復して、その大きな体を改めて見上げる。
「ラグビー部だけじゃないんだぜ?野球部に柔道部にサッカー部…他にもあったけど、忘れた。」
確かに、まだ1年生というのに、スポーツで作り上げたと思われるこの肉体は、本当に立派なものだった。どの部も獲得したいと、勧誘に躍起になるのは頷ける。
「えっ…!!ホントなの?ダメよ!他の部に入っちゃ!!君はラグビー部に入らなくっちゃ!」
現にここにいる愛は、俊次を入部させようと、もう必死だ。
「他の部も何も。俺はもう高校では部活やらねーから。ましてやラグビー部なんて。あんな泥まみれになって、痛くてキツくて、男に抱きつくスポーツなんて、ゴメンだね。どうせやるなら、もっと女にモテそうな部にするし。」
遼太郎の弟とは思えないようなこの言葉に、みのりは呆気にとられて絶句する。
「男に抱きつく…って、タックルのこと言ってんの?!バカじゃない?」
愛もラグビーを侮辱されたので、頭に来たのだろう。勧誘していることは忘れて、俊次に言い返す。