Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「それでなくても、ホモ率高そうだもんな。あんなゴリい男じゃなく、先生みたいな人に抱きつける部活なら、すぐにでも入ってやるけど。」
「なっ、なっ…!アンタ、なに失礼なこと言ってんのよ…っ!!」
愛はますます怒りをあらわにして、その顔を真っ赤にさせた。
みのりは俊次からウインクを投げかけられたが、あまりの思いがけない衝撃に、何も言葉にならなかった。
「心配すんな!間違っても、お前には抱きつかねーから」
「お前って…私のこと?!年上に向かって、なんて口きいてんの!!」
愛の怒りが頂点に達したところで、俊次はクワバラとばかりに、肩をすくめてその場を逃げ出した。
愛は自分の怒りをなだめるのが精いっぱいで、もう追いかけることはできなかった。
「なかなか手ごわそうだね…。」
廊下を曲がって見えなくなった俊次の方に目をやって、みのりがため息を吐いた。
「手ごわい…っていうか!私、勧誘するどころかケンカしちゃった!」
情けない顔をして、愛が頭を抱える。そんな仕草が何とも可愛らしくて、みのりは自然と朗らかに微笑んだ。
「みのりちゃん。笑い事じゃないんだってば!江口先生からも、狩野さんの弟は絶対入部させろって言われてるし。何よりも、あれだけの逸材は逃がしたくないし。」