Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「高2の時の同じクラスの男の子だった。明るくて、クラスの雰囲気を盛り上げてくれて、私にも話しかけてくれる優しい人だった。クラスが変わってしまう前に、勇気を出して告白したんだけど……。どうせ私は、こんな見た目だから当然振られるわよね。……ま、それは分かってたけど、……その時その人に言われた言葉が私を変えたのよ。」
――お前みたいな女、マジでキモイんだよ。このことだって思い出したくねーから、これから俺の視界には入ってくんな――
その時、その男子から放たれた言葉が、今でも鮮明に道子の頭の中に響き渡る。
その時の言葉を、到底自分の口から遼太郎に告げることは出来ず、道子の体には震えが走った。
「…〝優しい〟と思ってた人だから、……信じられなかった…」
道子がそう言った瞬間、唇が震えて細い目からは涙が零れ落ちた。
遼太郎はその涙を見て、その時どれだけ道子が傷つけられたのか、容易に想像できた。
「そのことで、私はこんな見た目だから、普通に恋愛が出来ないんだって解ったの。だけどね、心がすごく寂しくなって、何か救いがほしくって、……ツイッターで相手を探すようになったわ。」
『ツイッター』というキーワードを聞いて、遼太郎の表情が険しくなる。寂しさを癒す方法を、どうしてツイッターに求めようとするのか、遼太郎には理解できなかった。