Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「ツイッターで知り合った人と実際に会ってみて、やっぱり私を見たら、誰も本気で好きにはなってくれなかった…。だけど、この体を差し出せば、その時だけは優しくしてくれるの。」
道子がそう話したところで、遼太郎の思考が一気に動き出した。もっと真剣な表情になって、道子の話に聞き入る。
「そこに愛情なんてないけど、それをしている時だけは、こんな私でも女として求められている気がするの。…ううん、私はいつも人間としても、必要とされていないから……。…今日だって、あの会社のインターンシップで…、あんな態度をとられて……。」
そこまで道子が話してくれたところで、遼太郎にはこの不可解だった道子の全容が見えてきた気がした。
どうして、道子は好きでもない不特定の男に体を委ねるのか。どうして道子は、遼太郎が迎えに行ったあの会社にいなかったのか…。
何か辛いことや嫌なこと、自分の存在を傷つけられるようなことがあるたびに、自分を慰め現実を忘れるために、道子はサイトで相手を探し、偽りの愛の行為に浸っていたのだ。
そして、今日もインターンシップの場で、そこにいられなくなるようなことが起こってしまったのだろう…。