Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「だったら、やっぱり今日は本当にラッキーだったんですね。芳野高校の試合だから、もしかして…。と、微かな望みを抱いてたんですが、まさか本当にみのりさんに会えるなんて。」
蓮見が何気なく放った言葉は、冷たい矢となってみのりの心臓に食い込んだ。
あのお見合いの日に知った蓮見の気持ち。蓮見の気持ちはまだあの時のままで、まだ自分の方に向いているのだと覚ってしまった。
一瞬にして、また体が凍りつくようにこわばって、胸の鼓動が不穏に乱れてくる。何と言って答えを返せばいいのか分からず、言葉がのどに張り付いて出てきてくれない。
「……みのりちゃん!!」
突然響いたその大声は、みのりを呪縛から解き放してくれた。
「俊次くん…。」
みのりはホッとして、自分たちに近づいてくる俊次に視線を移した。
俊次は怪訝そうにジロリと蓮見を一瞥するも、軽く頭を動かして会釈をするような素振りを見せた。
すると、蓮見の方も、爽やかな笑顔を俊次に向ける。
「さっきの試合で、2つもトライを取った子だね?…ちょっと、インタビューしてもいいかな?」
「いんたびゅー?!」
俊次は驚いて、大きな体を思わずのけ反らせた。