Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「古庄先生の次の学校は、桜野丘高校だったっけ?芳野高校と同じように田舎町にある進学校だけど、芳野よりのんびりできるんじゃない?新しい職場で、きっと新しい出会いもあるわよ。」
「新しい出会いか……。」
期待どころか、まるで憂鬱そうに古庄は息を抜いた。
「……古庄先生の場合は、異常に歓迎されすぎるってわけね?」
転任してきた古庄に出会ってしまった女性たちが、古庄の気を引こうと群がる様を想像して、みのりの微笑みも苦笑に変わる。
『その通り』と言わんばかりに、古庄も眉を動かした。
「彼女を作ったらいいのよ。古庄先生さえその気になったら、すぐに出来るでしょ?そうすれば、たかってくる女の人の数は半分くらいになるわよ。」
半分面白そうに、みのりがアドバイスをしてあげると、古庄はいっそう眉根の皺を深くした。
「……女は……、うーん、もういいかな……。面倒くさいっていうか…。」
「…え?!じゃ、男の方がよくなったってこと?」
このみのりのツッコミに、古庄は水割りを気道に入れて、激しくむせてしまった。
「…そ、そういう意味じゃない!ねえさんは知らないだろうけど、男の方がしつこくて、やっかいなんだから。」
それを聞いて、みのりは目を丸くして古庄を凝視する。