Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「ってことは、男からも迫られたことがあるんだ…!さすが古庄先生。性別を超えて、モテてるのね!」


「……ねえさん……。」


 『勘弁してください…』という表情で、古庄がみのりを見返した。みのりの方も、からかいすぎたとばかりに、小さく舌を出して肩をすくめた。


「でも、どうして、面倒くさいって思うの?古庄先生だって、ゆくゆくは結婚しようとは思ってるんでしょう?」


 まるで諭されるように、みのりから尋ねられると、古庄も肩の力を抜いて考える。


「……女って…、付き合うまでは気を遣ってアレコレ世話を焼いて、気を引こうとしてくるのに、いざ付き合い始めると、時間を作ってくれないとか、話を聞いてくれないとか、最近してくれないとか…。ワガママなこと言い出す奴が多いんだよなぁ…。」


「……『してくれない』…って、何を?」


 古庄の話を頬杖をついて聞きながら、みのりが素直な疑問を返す。すると、古庄の顔が、極まり悪そうに赤くなった。


「……ねえさんだって、経験豊富な大人なんだから、そのくらい分かるだろ?」


 その古庄の反応からだいたいを察して、みのりは笑いを含んだ息を抜く。


< 412 / 775 >

この作品をシェア

pagetop