Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
古庄は、すでに人生の半分くらいを諦めたような言い方をして、その手の中にあるグラスから水割りを口に含んだ。
この古庄のネガティブな発言に、みのりはすぐに反論してくるのかと思いきや、古庄以上の深いため息をついて考え込んだ。
「……そうね。世の中には、そういう人も多いかもしれないね…。そんなふうに割り切って考えられた方が、楽に生きられるんだろうね……。」
つぶやくように発せられた哀愁が漂うみのりの声色に、古庄は目を上げた。
深い苦悩を閉じ込めたようでいて、それでもとても綺麗なみのりの横顔を見つめて、問いかける。
「ねえさんは…?結婚する気はないの?」
物思いから覚めたように、みのりは我に返って古庄に目を合わせた。見つめられた古庄は、少し顔を赤らめて、言葉を続ける。
「…あ、こんなこと訊くとセクハラになるのかな?でも、ねえさんこそ、相手に困らないと思うし、相手がいたら、あんなに伊納先生からしつこくされなかったと思うけど。」
伊納の事を持ち出されて、みのりの表情に苦い笑いが加わる。
その笑いもすぐに消え去って、みのりは自分の心の中を確かめるように目を伏せると、思い切ったように口を開いた。