Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
3 遊園地 Ⅱ
昼食は、ちゃんとしたレストランもあったけれど、遊園地内を随分移動しなければならなかったので、手近にあったバーガーショップで済ませることにした。
昼食くらいは奢ってあげようと、みのりがバッグから財布を取り出そうとすると、遼太郎がそれを制した。
「今日は、俺に出させて下さい。」
「え…。でも…。」
アルバイトさえしていない高校生の遼太郎に、自由になるお金なんてたかが知れている。みのりは、そんな遼太郎に奢ってもらうことに、気が引けた。
「大丈夫です。俺、普段小遣いを使うことないから、随分貯まってるんです。先生が食べる分くらい…。」
遼太郎はみのりに気を遣わせないように、にっこりと笑う。
心の中では、いつもみのりに出してもらうなんて、ヒモみたいでカッコ悪いと、遼太郎は思っていた。
その意図を汲んでくれたのか、みのりは、
「まあ…、ラガーマンみたいには食べないから、安心して。」
と、遼太郎の好意を素直に受け入れた。
みのりは先に注文した後、トイレに行き用を済ませて、遼太郎の姿を探した。遼太郎がカウンターとテーブルを行き来している場所に歩み寄り、そのテーブルに置かれた食べ物の量に唖然とした。