Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
遼太郎がそう語るのを聞いて、樫原は目を丸くした。
「…えっ!?狩野くんって、学校の先生になろうと思ってるの?インターンシップに行ってるくらいだから、東京の会社に就職するつもりなのかと思ってたけど。」
そんなふうに反応する樫原は、ショックを受けているようにさえ見えた。その樫原のショックを和らげるように、遼太郎はニッコリと笑って答える。
「いや、可能性の問題で。今のところ、先生になろうとは思ってないけど。もしかしたら、その資格を役立てなきゃいけなくなる時が来るかもしれないし。」
「…なんだ…。でも、それじゃ、教育実習なんかにも行かなきゃ、だよね?」
「うん、まだ実習に行ける単位を取ってからだから、行くのは来年の今頃かな?」
「…ええっ!!就職活動の真っ最中だと思うけど、……大丈夫?」
樫原の心配は、遼太郎も気がかりだったことで、渋い顔をして眉根を寄せる。
「……俺の予想では、来年の今頃には内定をもらっていることになってるんだ。」
「……狩野くんて…。案外楽天家なんだね…。」
呆れたように樫原が合いの手を打つと、遼太郎はフッと笑いを含めた息を抜いた。