Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 あれから俊次とのことはどうなったのだろう……。
 それも気になっていたみのりは、人の多い職員室を出て、落ち着ける渡り廊下で愛と向き合った。

 すると、みのりが愛のことを聞き出すよりも先に、愛の方から質問された。


「お兄ちゃんが心配してた。『みのりちゃんは元気か?』って。ちょっと言い過ぎたって言ってた。」


 それを聞いて、みのりもあの出来事を思い出して、ため息をついた。


「……夏休みに二俣くんが会いに来てくれたのに、些細なことで言い合いみたいになってしまって……。」

「みのりちゃん、うちのお兄ちゃんは単細胞だから。あんなヤツの言うことなんて、気にしなくていいんだからね。」


 愛がそう言ってくれている様子は、みのりを慰めようとしてくれているよりも、却って二俣を弁護しているようにも受け取れた。


「大丈夫。愛ちゃんに言われるまで、そのことだって忘れてたわ。……それより、愛ちゃんの方はどう?俊次くんとは仲直りできた?」


 その話題を持ち出されて、愛はぐっと言葉を飲み込んだ。唇を噛んで、自分の中の想いを整理して、みのりに打ち明けようか迷っているようだった。


「……仲直りっていうか……。別に、普通にしてるけど。……でも、一時みたいに険悪じゃなくなったかな?みのりちゃんのおかげだと思う」


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