Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
飛行機は、明日の午前中の便の予約が取れた。部屋の照明を点け、旅行用の大きなリュックサックを引っ張り出してくる。適当な洋服などを詰め込んで、簡単に明日の準備をする。
そうやってやるべきことを整えても、不安と焦りとが自分の中に充満して、遼太郎は落ち着かなかった。
こんな状態で、あと何日を過ごさなければならないのだろう……。シャワーを浴びて寝床に入っても、遼太郎はとうてい眠りに就けそうになかった。
遼太郎が浅い眠りのまどろみから覚めると、すでに明るくなっていた。でも辺りは静けさに包まれているので、まだ朝は早いらしい。
部屋の片隅に荷造りをしたリュックサックがある……。
どうやら、昨日みのりに再会したことは、夢ではなく現実に違いないようだ。
遼太郎は寝ていられなくて、すぐに起き上がった。とりあえず顔を洗って、簡単な朝食を作って食べる。食器の片付けをしてから、部屋の掃除をする。何も手につかなかった昨晩とは打って変わって、気持ちが逸って居ても立ってもいられず、体が勝手によく動いた。
何もするべきことがなくなって、時計を確かめてみても、まだ飛行機の時間までにはずいぶんある。
遼太郎は、リュックサックを担いで部屋の鍵を持った。この狭い部屋に閉じこもって、まんじりと時が過ぎるのを耐えているよりも、空港で待っている方がマシだと思った。