Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
汗だくになって働いて、夜の九時ごろ再びアパートに帰り着き、シャワーを浴びる。それからスマホを確認してみたら、みのりからメールが入っていた。
こうやってみのりからメールをもらうのも、いつぶりだろう?一瞬にしてバイトの疲れも吹っ飛び、ドキドキと胸を高鳴らせながらメールを開いてみる。
すると、文面はこうだった。
『あれから、きちんと陽菜ちゃんに話ができた?彼女の心を思うと、とても心配です。都合のいい時に連絡してくれると、助かります。』
陽菜のことのみに終始した内容のメール。
遼太郎は少々拍子抜けして、ため息をついた。しかし、気を取り直して、みのりへと電話をかける。
呼び出し音が数コール鳴ったあと、「はい。」と、今日のみのりはすぐに電話口に出てくれた。
「先生、……俺です。」
『……うん。』
「飛行機には無事に乗れたみたいですね。」
遼太郎の声を聞いて、みのりの安心したような息遣いが聞こえた。
『うん。なんとか無事に帰って来れた。……でも、あのまま帰ってしまってゴメンね。陽菜ちゃんには訳を話せた?話は聞いてもらえた?』
みのりから尋ねられて、遼太郎はゴクリと唾を飲み込んだ。本当のことを言うべきか、遼太郎の中に迷いが生じる。