Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
26 〝宿題〟の代償 Ⅱ
遼太郎は、頭から勢いよくシャワーのお湯をかぶって、ハーッと息を抜いた。思いもよらずみのりが来てくれたことに、まだ気持ちが動転していた。
みのりの姿を見た瞬間から、抱きしめたいという衝動しかなかった。抱きしめてキスをして、それからもっと……。
だけど、自分は バイトから帰ってきたばかりで汚れていて、とても抱きしめられる状態ではなかった。みのりも、抱きしめられることよりも、陽菜のことばかり気にしていた。
陽菜のことをきちんとみのりに説明して、安心させてあげたいとは思う。けれども、遼太郎は結局陽菜と話すことを放棄していて、みのりを安心させる材料を持ち合わせていない。
それに、今はそんな陽菜のことよりも、目の前にいる生身のみのりのことしか考えられなかった。タオルで体を拭いて下着を身に着けたときに、もう遼太郎は衝動を抑えられなくなった。
遼太郎が浴室から出てくる気配を察して、窓辺でその様子を窺っていたみのりは、半裸の状態で姿を現した遼太郎を目にして、息を呑んで固まってしまう。遼太郎の美しいと形容するにふさわしい体を見て、鳥肌が立った。ドキンドキンと胸が激しく鼓動を打って、体が震えてくる。